2017年7月22日土曜日

民泊新法制定による不動産市況へのインパクト

2017年6月9日、住宅宿泊事業法が制定されました。これにより、いわゆる民泊、つまり住居を宿泊先として貸し出す事業、が合法化されたわけですが、これは大きく不動産市況に影響を与えると思います。

民泊の詳細に関しては他のサイトに譲りますが、
https://minpaku.yokozeki.net/about-minpaku/
民泊合法化の経済へのインパクトをここで考えたいと思います。

民泊は、空き家問題を背景に必要性が叫ばれ、可決されたとしてもいいと思います。また、観光産業で経済を活性化していこうと考えた日本国の宿泊事業を後押しする、という狙いもあったかと思います。

民泊を考える前にまずは、日本の今後の人口推移をみてみましょう。
現在の日本の人口動態は以下のようです。


ピラミッドとは真逆の逆ピラミッド型です。逆ピラミッドの人口動態は基本的には経済の衰退を意味し、そのためデフレおよび不動産の購入控えが起こってきました。

経済の衰退とデフレは私は異なると考えています。人口が減れば経済が衰退する可能性は高まります。しかし、テクノロジの進化により、生産性は飛躍的に向上し、かつ貨幣供給量の調整によりインフレに持っていくことは可能です。

資本主義市場は『インフレ』状態でないと成り立ちません。2008年のリーマンショックにも記憶が新しいと思います。まずは日本政府は経済を正常化しようとインフレ状態にもっていっています。

ちょっと脱線してしまいましたが、インフレ・デフレはともかく、人口は減っていきます。そのため、空き家問題が発生し、社会の治安への影響なども叫ばれていました。この解決策として住宅宿泊事業が叫ばれました。

次に現在の住宅数の状況をみたいと思います。
国土交通省が統計をまとめてくれています。
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

これによると2012年(平成24年)末に発足した安倍内閣の異次元金融緩和によりマンションの竣工数が異常に増えている、という印象がありますが、マンションでさえ新規着工状況は上のような状況です。リーマンショック前よりも大きく落ち込んでいることがわかります。マンション以外を含めると、以下のように現在では100万戸を切っています。

現在1億2000万人の人が日本にいて、みなが4人家族とすると3000万戸の家が必要です。100万戸が1年で新設されるとすると、30年かかります。建物の耐用年数は技術の進歩と共に年々伸びています。平成25年には既に6000万戸が存在していた、という統計があります。また平成25年の時点で空き家は800万戸に及んでいる、というデータもあります。この状況では確かに『人口減少』『耐用年数の伸び』を考えると不動産投資は注意が必要です。ただ、この計算はおおざっぱすぎます。一人暮らしの数も増えているので、それをきちんと考える必要もあります。

このような状況の中、民泊がスタートします。

180日間がMaxの貸し出し日数ではありますが、空き家、もしくは少し旅行に行っている家などが宿泊事業に使用されます。

都内でも観光地に近い浅草、銀座、押上などは観光客の民泊を目当てに賃料があがるでしょう。日本のホテルは複数人数になると宿泊費がかさむので、1部屋あたりの宿泊料になれている外国人などは民泊の価格帯に流れることが多いかもしれません。

たとえば、40平米の浅草の部屋があるとしましょう。物件にもよりますが、現在はおおよろ12~14万円くらいの賃貸料でしょうか。浅草のビジネスホテルは2~3人素泊まりで、おおよそ12,000円~15,000円くらいでしょうか。

月の半分稼働されるとすると1泊1万円で、家賃がチャラになります。さらに様々なサービスをつけると1泊1.5万円程度稼げる物件になるとすると、10万円程度が利益となる計算です。これにより相場はあがり、不動産の賃料なども上昇することが期待されます。

もちろん、近隣住民に対するトラブルなど、マイナス面もあります。

民泊に対して既に大手(楽天LIFULL STAY株式会社、株式会社シノケングループ、リブセンス会部式会社など)は既に動き始めています。

今後の民泊産業の拡大から不動産価格の上昇、また地域の観光地化による街の発展を望みます。

※ 投資判断はご自身で。






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